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横瀬研究室では、より良き地球の未来を求めて、海洋の理解に挑みます。

熊本大学大学院先端科学研究部門科地球環境科学講座 
担当 横瀬久芳(海洋火山学)

肥後の温泉科学(地球環境科学の最前線h) 

授業の目的:
  熊本の歴史、自然、文化、産業、医療、環境といった身近な物事を学問の視点から見つめなおす経験を通して、よ
  り 普遍的で本質的な学問的課題や、より広範な現代社会の諸課題への理解を深める。
到達目標:
  1)熊本県における各種温泉の分布域を理解する。
  2)温泉の形成過程を理解し、多様性を産み出すメカニズムを説明できるようにする。
  3)各泉質の特徴と効能に関する基礎的な知識を理解する。
授業の概要:
  熊本県に存在する温泉の地域的な多様性の認識をします。その上で、それぞれの温泉がどのようなメカニズムによ  っ て地表にもたらされているかを解説します。

(注)青字の部分をクリックすると詳細やリンク先が見れます。

2024年度スケジュール(対面の講義です)講義期間:4月11日~6月14日木曜日4限

講義回数 日付 タイトルをクリック:内容表示 各講義の内容 備考
Lesson 1 4月11日 イントロダクション 1.講義の概要と目的
Lesson 2 4月18日 温泉の基礎知識 1.温泉とは何か?(温泉法と鉱泉分析指針)
2.温泉の分類方法(療養泉)
3.療養泉の地域性(県北、中央部、人吉・球磨、県南)
4.温泉水の起源(δダイアグラム)
5.火山性温泉と非火山性温泉(地下増温率)
Lesson 3 4月25日 硫黄泉と硫酸塩泉の秘密 1.硫黄と温泉臭の関係
2.硫黄泉と硫酸塩泉の科学的違い
3.様々な色の温泉と硫黄
Lesson 4 5月9日 山にも海にも存在する塩化物泉 1.海岸地方の塩化物泉(高張性温泉)
2.資源が限られる化石海水型温泉
3.潮湯と海水浴
4.山間部に現れる塩化物泉(沸騰泉、メタケイ酸)
5.臨界状態の熱水と塩化物泉
Lesson 5 5月16日 温泉水の炭酸はどこからきたのか? 1.天水に溶ける炭酸ガス
2.火山と炭酸ガス
3.炭酸水素塩泉が火山地帯に多い理由
4.温泉が作り出す天然記念物
5.深部マントルに由来する炭酸ガス
Lesson 6 5月23日 意外と多彩な単純温泉 1.単純温泉に含まれる多くの療養泉
2.コバルトブルーの単純温泉(レイリー散乱)
3.花崗岩地帯の単純温泉と放射能泉
4.pH9.5を超す温泉の多くは単純温泉
5.モール泉と呼ばれる色付き単純温泉
Lesson 7 5月30日 体調を踏まえた泉質の選択 1.泉質と効能に関する取扱い
2.入浴時の化学反応
3.還元的温泉とは何か
Lesson 8 6月6日 まとめ、レポート作成 講義全般に関するレポート作成

単位取得に向けてのアドバイス

進め方
3分の2ルール
講義内容を初心者向けに変更したことに伴なって,昨年まで実施していた,出席確認用の記述式小レポートを簡素化し,三択問題にしました.これで,作文や小論文の苦手な学生でも受講できるスタイルになったのではないだろうか.また,昨年と異なり,学習の要点が明確になるように,キーワードを厳選した.また,講義内容が復習できるように,上記表にリンクを配して,pdfファイルが読めるように工夫した.
 このような状況の中,基本的に要求されるのは,3分の2以上出席していること.そして,期末試験で所定の成績を修めることである.期末試験に出題される設問は,基本的に小レポートの内容となる。

<参考文献>
横瀬久芳(2016):面積あたりGDP世界一位のニッポン ― 地震と火山が作る日本列島の実力,講談社+α新書 ,238p.
温泉検定実行委員会(編)(2019):日本温泉名人認定試験―温泉検定テキスト,日本温泉協会,190p.
Gunter Faure (1991) : Principles and applications of inorganic geochemistry : a comprehensive textbook for geology students, Macmillan, 626p.
大沢信二・西村進(編)(2016):温泉の地球科学―温泉を通して読み解く地球の営み,ナカニシヤ出版,xii, 189p.
環境庁自然環境局(2014a):鉱泉分析法指針(平成26年改訂),            
    (https://www.env.go.jp/council/12nature/y12314/mat04.pdf)
環境庁自然環境局(2014b):「温泉法第18条第1項の規定に基づく禁忌症及び入浴又は飲用上の注意の掲示 等の基 準」及び「鉱泉分析法指針(平成26年改訂)」について,環自総発,第1407012号
環境庁自然環境局(2018):あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは、
   (https://www.env.go.jp/nature/onsen/pdf/top.pdf

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最終更新日 2024.4.1.